政局 2010 8 28
今週、民主党代表選挙に、小沢前幹事長が出馬表明をしました。
このような出馬は、菅首相が招いたものです。
つまり、菅首相が、小沢氏に出馬できるような政治的な環境を作ったと言えるでしょう。
急激に進んだ円高に対して、
産業界や市場関係者は、悲鳴を上げていたのに、
政府は、なかなか動こうとせず、「市場を注意深く見守る」と繰り返すばかり。
これに怒った産業界や市場関係者は、
繰り返し繰り返し「菅政権は無策」と叫ぶようになりました。
ここに、小沢氏が出馬できる隙間(政治的な環境)ができたのです。
昨日、追い込まれて、やっと政府は、
円高に対して、強い声明を出しましたが、
まるで役人のように、対応が遅すぎるのです。
これで、「菅首相は、経済に弱い」というのが、
市場のコンセンサスになったと思います。
その上、政局を読めないとなると、
政敵には有利な環境を提供しているようなものです。
私が見る限り、菅首相は、就任以来、
政敵がつけ入るチャンスを作り続けていると見えるのです。
自分には政敵がいることを忘れているような政権運営だったと思います。
菅政権が続くのか、小沢政権ができるのか、わかりませんが、
いずれにせよ、このような政治的危機を呼び込んだのは、菅氏です。
今回の円高危機は、菅内閣にとって、危機管理能力を示すチャンスだったのです。
それを後手に回って、チャンスをピンチに変えてしまったのです。
このような危機は、参議院選挙の消費税騒動に対する
失地回復のチャンスだったのです。
ここは、スピーディに行動して、
さらに強力なリーダーシップを見せて、
民主党代表選挙を有利に展開するチャンスだったのです。
それなのに、ひたすら後手に回り続けたのは、なぜなのか。
政策的優先度 2010 7
17
先週の参議院選挙では、
消費税の増税議論で盛り上がっていましたが、
私からすれば、その光景は、
政策的優先度がわかっていないと見えました。
今、日本が取り組まなければならない問題は、
「円高とデフレ」です。
いくら増税しても、
円高とデフレが進めば、帳消しになってしまいます。
どうして、そんな簡単なことがわからないのか。
6月25日の朝日新聞で、
レスター・サロー氏がインタビューの中で、こう述べています。
デフレ状態の日本で消費税増税が議論されていることについて、
「クレージーだ。
消費が減るだけで、不況を永遠に引きずることになる」と指摘しています。